普通のOLが花講師を目指したきっかけ
バブル経済まっただ中、虎ノ門OLだった私は、友人との食事会・海外旅行・クルーズ船観光など、煌びやかな20代を満喫していました。
音楽鑑賞、夜景の見える最上階レストラン、花見の宴。
会社の充実した福利厚生では華道をたしなみ、自分磨きにいそしんでいました。
香りに包まれながら花を活けるひととき。
しかし、自分の気持ちとは裏腹に、華道はなかなか上達できないでいました。
「もっと上手くなりたいな。また今日も、先生に全部引っこ抜かれてやり直しか・・・」
そんなふうに思いながらも楽しく会社勤めしていたある日、総務の女性から思いがけない一言をいただきます。
『華道の先生が、あなたには感性があると言っていたわよ。』
信じられない!!嘘だ。
と思いました。
私だけいつもダメ出しの連続でしたので。
にわかに信じがたかったのですが、感性があるという先生の言葉は、私の心に深く強く刻まれました。
この一言が、お花の世界へ踏み出す第一歩となったのです。
草月流の師範を目指そうかな・・・?
33歳で突然襲ってきた病
その後、結婚退職し息子が2歳の頃でした。
体に違和感を感じ、病院で診察してもらったところ、医師の先生からショックな言葉が・・・。
『なるべく早く手術しないと大変なことになります』
命に関わる病気ではなかったのが不幸中の幸いでしたが、長期入院が必要になってしまいました。
「○○(息子の名前)どうしよう」
とっさに考えたことは、まだ幼い我が子のことです。自分の体のことよりも、息子のことが心配でなりませんでした。
落ち込んでいる私をさらに苦しめたのが、子供との面会禁止令。
感染症予防の観点から、未就園児は病院に連れてこないようにと言われてしまったのです。
胸がキュ~と締め付けられ、自然と大粒の涙がボロボロあふれてきました。
心配事が頭の中でグルグルグルグル駆け巡ります。
「ご飯は食べられているかなぁ?まだ一人でトイレも歯磨きも出来ないのに。夜も寂しい思いしてないかなぁ」
案の定、息子は母がいない不安から、嘔吐したり熱を出したりと情緒不安定になってしまいました。
無機質なベッドの上で
手術後は寝返りも一人で打てず、笑っても痛い、クシャミをしても痛いという日々が何日も続きます。
入院のことを友人に知らせていなかったので、お見舞いに来てくれる人もいません。
個室のため、おしゃべりできる入院仲間もいません。(贅沢な悩みだったのかもしれませんが、当時は辛かった)
カーテンレールだらけのデコボコの天井を見つめながら、キラキラした昔の記憶に想いを馳せるのが日課だったある日、
義理の姉が可愛いお花を持って面会に来てくれたことがあります。
アーティフィシャルフラワー(造花)の小さなバスケットアレンジでした。
驚いたことに、たった一つでもお花があるだけで、今まで無機質だった病室がパッと明るくなったのです。
心が救われ晴れやかな気分になり、眺めているだけで気持ちが落ち着きました。
花を見ている時は痛みも忘れ、まるで別世界に行っているかのような不思議な感覚に包まれます。
健康なときには気づけなかった 花のチカラ。
たとえ造花でも、花には魔法のパワーがあるのかもしれない。
ベッドの上で、そんなことを考えるようになりました。
1ヶ月ぶりの息子との再会
無事退院が決まり、楽しみにしていた我が子との再会の日がやってきました。
ママー!!
と走ってきてくれることを想像していたのですが・・・
現実は残酷なものですね。
2歳の息子は私を見てキョトンと止まったまま。
どうやら母を忘れてしまったようです。
なんとか思い出してくれホッとしたのも束の間、そこからまた慌ただしい日常が始まりました(今度は嬉しい悲鳴)
プリザーブドフラワーとの出会い
下の娘が小学4年生になったのを機に、そろそろ何か新たな仕事を始めたいと思いました。
当時の求人はインターネットではなく、まだ紙媒体。雑誌・チラシ・新聞広告などを眺めていたところ、銀座フラワー講師募集の文字が目に留まります。
独身時代の華やかな日々を思い出し、
「一流ブランド店が軒を連ねる大好きな銀座で、フラワー講師になれたらなんて素敵なんだろう♪華道のお免状をいかして働けるかもしれない!」
軽い気持ちと勢いで、応募してみました。
ところが、その時の面接官に『今どき華道は流行らない。プリザーブドフラワーはどうか?』と勧められます。
プリザーブドフラワーとは、生花に特殊加工を施し長期保存を可能とした枯れないお花。美しく色鮮やかな状態が半永久的に保てるうえに、水やりも不要。
当時まだ珍しかったその花に、すっかり魅了されてしまいました。
プリザーブドフラワーの虜になった私は、IFA(国際フラワーアレンジメント協会)の資格を取得。
プリザーブドフラワー教室開講に向けての準備を始め、集客に翻弄する日々が始まります(銀座フラワー講師への夢は破れました)
花の威力をふたたび感じた出来事
そんなあるとき友人から、
『肺がんを患っている同僚のために、病院でプリザーブドフラワーのアレンジレッスンをして欲しい』と頼まれました。
生花は病院内への持ち込みを禁止されている(花粉や衛生面の観点からNGの病院が多い)ので、プリザーブドフラワーで教えてもらいたいというのです。
話し合いの結果、待合室でレッスンをさせていただくことになりました。
病院に着くと、かつて自分が入院していた頃の記憶が脳裏に蘇ります。
白くて無機質な部屋
自由に開閉できない窓
カーテンレールだらけの天井
看護師さんとのわずかな会話
何をするにも痛い体
何回寝ても“まだ今日”という長い一日
そして何より辛かったのは、病気に対する恐怖心です。
なんとかこの時間だけでも、ご友人には辛いことを忘れて楽しんでほしい!
その想いだけで、プリザーブドフラワーのレッスンを一生懸命させていただきました。
お花を見て、驚いたり笑ったりする彼女はとてもチャーミング。
不思議なことに、レッスン中はピタッと咳が止まっていたのに、終わった途端、また苦しそうに咳き込んでしまったのです。
フラワーアレンジメントに集中していたおかげで、アドレナリンが出ていたのかもしれません。
【花は人を幸福な気持ちにさせ、心を治癒するチカラがある】
7年前の自分と重なり、改めてお花のパワーを感じた瞬間でした。
生徒様の「元気の源」でありたい
教室開講当初から通ってくださる方、初めてお越し下さる方、皆さんリラックスしていろいろなお話をしてくれることに、私は感謝しています。
・お花でこんな作品を作ってプレゼントしました
・レッスン作品をこんなふうに飾っています
などの他にも、何気ない日常のおしゃべりで、
・小さい文字が見えなくなってきちゃって・・・
・最近ひざが痛くて長時間歩くのが辛いんです
・昨日は一日中義母の介護で疲れたわ~
結婚・出産・家事・子育て・入院・介護・年齢に伴うお悩み、将来に対する不安。
私たち女性はちょっと聞いてもらいたいがたくさんあるのですね。
自分の話に耳を傾けてもらうだけで、なんだか元気になれることってありませんか?
『先生に会うと、いつも私まで元気になれるのです』
『毎回お話が楽しいので、先生に会うのが楽しみです』
『介護のことで、先生に話を聞いてもらいたいんです』
ありがたいことに、このようなお声をよくいただきます。
ライフスタイルが変化していく中で積み重ねた私自身の体験談が、お花のレッスンと共に、生徒様の癒やしになれればと願っています。
人生の後半戦、花で最高に仕上げましょう!
育児も介護もお仕事も、今まで全力投球してきた貴女。
これからは自分にご褒美をあげる番です。
生きるのが、もっと楽しくなる花教室
人生の後半戦、ラグジュアリーなフラワーエッセンスを取り入れ、いつもの生活にハリと輝きをプラスしませんか?
ホテルラウンジのエントランス装花や、絵画・美術品などからインスピレーションを受けてアレンジするのも素敵ですね。
人生経験が豊富な私たちだからこそ出来るフラワーマジック。
ぜひ私と一緒に堪能いたしましょう。
あなたとお会いできる日を、心より楽しみにしております。
Flower give Dream 海老原弥代
経歴
保有資格
- IFA(国際フラワーアレンジメント協会)プリザーブド&パフュームフラワーデザイナー兼インストラクター
- 華道草月流師範
- 3Dプレミアム固まるハーバリウム講師
- フラパージュクリスタル本部講師
- アロマストーン本部講師
- レジン講師
主な出展・受賞歴
- ホノルルフェスティバル、ウェディングブーケコンテスト世界大会 優秀作品賞受賞
- 赤坂グランドプリンスホテル、八代亜紀絵画コラボショー舞台装飾 優秀作品賞受賞
- フロールエバーコンテスト全国大会 最優秀作品賞受賞
- 日本橋ロイヤルパークホテル、オブジェ展示
- 島谷ひとみライブステージ舞台装飾
- 高輪プリンスホテルロビー、オブジェ展示 他
メディア出演
- 品川ケーブルテレビ「ひなのチャレンジ」に講師出演
- FMラジオ「ウィークエンダー」にて教室紹介
- 「縁結び大学」ウェブサイトに講師インタビュー掲載 他
企業様レッスン依頼
(株)三井住友銀行/朝日生命保険相互会社/日本生命保険相互会社/パナソニック(株)/中央区常磐小学校/(株)蔦屋書店/(株)PebyStyle/(株)カイエンインターショナル/日本健康管理(株)茜会/二子玉川高島屋コミュニティたまがわ/日本橋高島屋LOOP/(株)タリス/(株)エクシオジャパン/Life Plus Club LLP/(株)阪急交通社/三菱自動車工場(株)/凸版印刷(現TOPPANホールディングス株式会社)/他